更衣室は多くの欧州の施設がそうであるように、男女共用。室内にある折りたたみベンチのような木の板を倒すと、それがドアをふさいで「鍵」がかかるという仕組みになっている。着替えなどをかけたり小物をしまったりできるハンガーも利用でき、そこに自分の服などをかけてロッカーにしまえる。水着に着替えて、いざ屋内プールへ。
　　温泉はほぼ無色透明。においもほとんどないが、わずかにミネラルのにおいがあるかな？という感じ。室内プールのほうは温度は比較的あたたかめ（日本の温泉で言えばぬるめだが）で、ゆっくりつかりながら、のんびり泳いだりプールのヘリ部分に首を預けながらゆっくりお湯に使ったりすることができる。プールサイドにはリクライニングチェアーも用意されており、お湯に使った後はそこで休むこともできる。また、水着のまま利用できるカフェのようなところもあった。
　一方、屋外にもプールがある。こちらは温度はやや低めで、温泉というよりもぬるめの普通のプールという雰囲気だ。ちょうど訪れた日がやや寒めだったためか、外を利用している人はかなり少なかった。そのぶん、広々と泳げるのではあるが。屋外には打たせ湯のようなコーナーなども用意されている。
　
　さて、存分に楽しんだら着替えて再び外へ。心なしか、体全体が軽くなっているように感じられる。山間の涼しげな風が体に実に心地よい。さっきやって来た道を再び降り、散策をしながら街中へと向かっていく。途中のカフェで、このあたりであるサヴォワ地方名産のグラスワインをいただく。うーん、極楽。
　リヨンに戻って夕食。リヨンはフランスでも有名なグルメの町で、著名シェフポール・ボキューズの店をはじめ世界中からお客さんが訪れる（ので、英語も通じる店が多い）。昼は温泉でくつろいで、夜はおいしい料理と、贅沢な体験ができる地域であった。